院長・スタッフ紹介

 

栄養管理士インタビュー

安藤 志保子(あんどうしほこ)


管理栄養士
歯科助手
介護食の調理を、在宅でも出来るような形で指導して、できるだけ食事を楽しむようしていく、ご家族の負担が増えすぎないように、その人に合った食形態のアドバイスをします

嚥下(えんげ)・・つまり「正しく飲み込まれていること」について、管理栄養士としてどのようなアプローチをされるのですか?

食形態(とろみをつける、どういう風に切ればいいか?など)のアドバイスですね。
介護されている方にすごく負担がかかってくるので、市販のもので選びやすいものの提案をします。
たとえばメニューとして「卵豆腐とか茶碗蒸しとか、枝豆豆腐とかもありますよ」とか、とろみにするものご紹介・・いっぱい種類があって、便利になっています、などです。

介護を受けている方に対してのアプローチは?

「尊重する」という事が一番大事ですね。
施設だと、固形物で誤嚥(ごえん:食道でなく気管に食べ物がいってしまう事)する事はリスクなので、段階の進んだ軟らかさにしてしまうのです。
食べることに関して、結構いろいろな話をききます。
おにぎりをもっていくと食べるのに、普段のペースト食を残しちゃうのは「食べたいけど、この形態の食事はいやだよ」という意思表示だと思います。
また、胃ろうだったお父さんにご家族が内緒でヨーグルトを食べさせて、施設で怒られたという話を聞いたこともあります。
でも、誤嚥のリスクも考えると、せめぎあいですね。
最近、ターミナル期(末期)は、人間らしく過ごしたいという考えが出てきていて、少しずつですがそういう病院も出てきています。
そういえば、胃ろうの患者さんも嚥下指導が入ってから、ガラッと変わったという話も聞いた事があります。
歯医者さんの手配だったそうですが、施設を移ったことで指導が中断し「続けていれば胃ろうが取れたかもしれない」とおっしゃってました。
院長:日本は「胃ろう大国」と言われています。
胃ろうになってからどう回復するかその試みがまだないんですよね、基準がないんですね。
そこに、摂食嚥下のリハビリが入っていくようにしたいです。

嚥下指導の手配は誰がするんですか?

院長:ケアマネ(ケアマネージャー)さんから来ますね。
摂食嚥下リハビリテーション学会でも、嚥下の内視鏡を持って行って、実際に診れる先生はすごく少ないのです。
ノドの機能と残留物をモニタリングして、全然飲み込めてないとか、残留物があったりするとかを診ます。
「食べ終わったね」って寝たときに、肺に残留物が入っちゃうリスクがあるから、ゼリーや色をつけた水とかで試したりするんですが、実習を何回かやらないとできません。
血液サラサラの薬飲んでいる人だったら、内視鏡で傷つけて出血が止まらないなどのリスクがあるので出来ないこともあります。
内科から「お願いします」と依頼が来ることもあります。

歯科の領域なのですか?

院長:はい。
ただし、歯医者さんは医科的な知識をつけなければいけないのと、管理栄養士とコミュニケーションとる必要があります。

「口から食事をする」ということが、体力面でも気持ち的にも大事だということがわかりました。胃ろうのご家族がいたら、歯医者さんにお願いすれば進められる流れですよね?

院長:安藤さんにはそういう目的で来てもらっています。
今後5年後くらいで、さらに需要は高まると思います。

胃ろうの方でも、安藤さんみたいな人、管理栄養士さんが来てくれれば口から食べられるようになるんでしょうか?

それはドクター次第ですね。
「この食形態のもので」とドクターが診断して、管理栄養士にお願いするという流れです。
こちらが指示を仰いで「行かせてください」という形で行ったりもしました。
ワーカーさん、相談員さんが取り持ってくれて、ドクターに「指示を出してください」というケースもありました。
在宅でも出来るような形で指導していく、できるだけ食事を楽しむようしていく、ご家族の負担が増えすぎないように、あった食形態のアドバイスをする、といったところでしょうか?
訪問はいろいろな要素があるので、いろいろ見極めないとですね。

日中は独居で、ご家族は仕事に行っていて、というケースで、ヘルパーさんに指導する形で入ることも多かったですね。
ヘルパーさんがいるところに伺って「どういう状態ですか?」という感じで。

院長:保険点数のことで言えば、医科と歯科の連携に対する評価が低いんですね。
今来ている患者さんは、20年後は訪問で診療するようになったとしたら・・治療だけでなく栄養指導もしたい・・そこを見越して今回の取り組みがあるのです。

そもそもの話なんですが、摂食嚥下の解説をおねがいしたいです。何が危ないのでしょうか?

誤嚥(ごえん)といって、飲み込んだものが間違えて気管に入ってしまうのが危ないのです。
ご飯を食べて飲み込むというのは、健康だと無意識にやっていますが、とても複雑なことなんです。
筋肉が衰えてくるとその機能も衰える、その機能を回復するのが、摂食嚥下のリハビリテーションなのです。
摂食は食事を摂ること、嚥下は飲み下すという意味です。

あと、お口の中がキレイな状態だと、食べ物の味を感じることができます。
まず五感をクリアにする、この場合は味覚からと思っています。
「刺激をして、キレイにして、ご飯食べましょう!」というのが、はじめ一歩かな?と思っています。
口がキレイになることで、コミュニケーションもすすんでとれるようになります。
声を掛けながら、お口をキレイにして「今からご飯食べるよ!」といって、ぼんやりしているところを覚醒してから食べることだけでも、誤嚥のリスクは減ります。
健康な人でも、寝ぼけているところで「ご飯よ」って言われてもスムースに食べられないですよね、それと一緒です。

院長:ちゃんと覚醒して、目で食べ物を見て、どれくらいの大きさのものが口に入っているかを認識してもらって食べる事が大事です。

「ノドのごっくん機能」の運動をするんですか?

前は、氷を口の周りとかにアイスマッサージで刺激を与えて感覚を取り戻すなどしていまいた。
顔のマッサージもいいと思います。
表情筋をマッサージするだけでも、入れ歯がしっかり入るんじゃないかなと思います。
「グリグリしましょう」とか「ホッペを膨らまして」などの運動で、口の周りの筋肉があったまりますね。
院長:ノドとベロの筋肉を鍛えることをお勧めします。
おじいちゃんで、のど仏がすごく出ている人・・のど仏は軟骨なんですけれど・・垂れ下がっている場合、そこからグッと上に上がってくるまでにタイムラグが生じるのでそのときにむせちゃうんですね。
垂れ下がっているなと思う人は、食形態に気をつける必要があります。
ノドも姿勢もすごく需要です。

介護保険で管理栄養士さんに来てもらうことはできるんですか?

「居宅療養管理指導」で、医師からの診断書が必要です。
「居宅療養管理指導」の中の「訪問栄養指導」というのがあれば行けます。
訪問している管理栄養士がいることを、ドクターがあまり知らないので、ケアマネさんやソーシャルワーカーさんが「ココにいますよ」と紹介していただく形が一番多いですね。

スタートは「家族の方が知ること」なんだと思います。例えば、このページを見て「そうなんだ!」と思ってもらえればいいなと思っています。ケアマネさんに相談してもいいんですかね?

はい!
いっぱい来ほしいですね、一日4件くらいマックスですが。

家族のお金の負担的には、どうなんでしょう?

月2回訪問出来て、540円だと思います。
資格を持っている人が埋もれちゃっている現状です。

ご家族の「胃ろうとってあげられたら」という言葉が忘れられないですね。安藤さんからメッセージお願いします。

訪問診療は、患者さんに寄り添う診療です。
人生の終末期に食べる食事を私たちが管理するのですから、そう考えるとお金じゃなくて志だなと思います。
わからないこと、不安なことがわかるだけでも気持ちがスッとしますので、気軽に何でも聞いてほしいなと思います。

ありがとうございました!!!

インタビュー2018/8/27

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